A:ポリ塩化ビニルは塩化ビニルがたくさんつながったもの、ポリ塩化ビフェニルはビフェニルに塩素がたくさんついたものです。
ポリ塩化ビニルはプラスチックの一種で、塩ビ管やビニルハウスなどとして身の回りで多く使われています。最近はポリエチレン製やポリプロピレン製が主流となっていますが、ビニール袋の語源となった素材でもあります。
ポリ塩化ビフェニルは有機溶剤(油)の一種で、かつては電気機器や塗料に使われましたが昭和47年(1972年)移行は製造禁止となっています。
両者の違いは英語で捉えると分かりやすいです。
ポリ塩化ビニルでは Poly Vinyl Chloride (PVC) で、塩化ビニル(Vinyl Chloride)同士がたくさん(Polyは多くのという意味)つながったものです。可塑剤の添加量により硬質から軟質まで材質を変えることができます。
ポリ塩化ビフェニルは Poly Chlorinated Biphenyl (PCB) で、ビフェニル(Biphenyl)という化合物に複数(1~10個)の塩素がついた(Chlorinated)ものです。塩素のつき方の違いにより全部で209種類あります。
ポリ塩化ビニルは安価で加工しやすく、耐久性・耐薬品性などに優れたプラスチックですが、塩素を含むため燃やすと塩化水素やダイオキシンが発生しやすい、原料である塩化ビニルモノマー(クロロエチレン)には発がん性がある、可塑剤の一種であるフタル酸エステルに環境や健康への影響が懸念されている、といったネガティブな点も指摘されています。
ポリ塩化ビフェニルは不燃性・絶縁性などで優れた溶剤でしたが、かつてカネミ油症事件などの公害を引き起こすなど、その高い有害性のために製造禁止となりました。現在、国が期限を決めてその処理を進めているところです。
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