A:どちらもPCB濃度が0.5mg/kg超~5,000mg/kg以下のPCB廃棄物のことです。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は電気絶縁性が高いなどの優れた特性があるため、電気機器の絶縁油などとして大量に使用されていました。ところが毒性が明らかとなり、昭和47年には製造禁止となりました。本来であれば製造禁止以降の電気機器にはPCBは入っていないはずですが、平成14年にPCBが廃棄物処理法の廃油の判定基準0.5mg/kgを超えて入っている電気機器が多量に確認されました。これが“微量PCB汚染廃電気機器等”や“微量PCB汚染絶縁油”と呼ばれました。微量にPCBを添加するメリットはありませんので、非意図的な混入ではないかと言われています。
環境省ではPCBの速やかな処理のために高濃度のPCB廃棄物を中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)で、低濃度のPCB廃棄物を民間の無害化処理認定施設で処理することを検討していました。しかし微量PCB汚染廃電気機器等はPCB濃度の上限が決まっておらず、どこからが高濃度でどこからが低濃度であるかを区分できませんでした。そこで区分を明確にするために、平成24年に告示を改正し、PCB濃度が5,000mg/kg以下(0.5%以下)のものを“低濃度PCB廃棄物”と総称するようになりました。
これらの経緯から現在では、PCB濃度範囲が0.5mg/kg超~5,000mg/kg以下の廃棄物は“低濃度PCB廃棄物”であり、そこから“微量PCB汚染廃電気機器等”や“低濃度PCB汚染物”などに区分されます。
なお令和元年に告示が改正され、無害化処理認定施設で処理できるPCB汚染物の濃度範囲が拡大されました。可燃性のものに限りますが、PCB濃度範囲が5mg/kg超~100,000mg/kg以下(10%以下)のものが処理対象です。
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