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【No.19】 PFOS,PFOAについて

ニュース等で話題のPFOS,PFOAとは何ですか?

A:“永遠に残る化学物質”とも言われるフッ素系の界面活性剤です。

PFOS(ピーフォス)はペルフルオロオクタンスルホン酸(PerFluoroOctaneSulfonic acid)の通称、
PFOA(ピーフォア)はペルフルオロオクタン酸(PerFluoroOctanoic Acid)の通称です。

どちらも非常に強力な界面活性剤で、これまで泡消火器や塗料のレベリング剤として使われてきました(フッ素系の撥水剤はPFOS,PFOAとは異なる物質です)。
非常に化学的に安定している物質で、光や熱に強く、生分解も受けないことから“永遠に残る化学物質”とも言われています。

PFOS,PFOAは油にも水にもなじむ性質から生体内に蓄積しやすく、動物試験では有害性が確認されています。人体に対しても有害性が懸念されており、半永久的に環境中に残存する性質もあることから世界各国で規制が進んでいます。

日本でも近年の地下水からの検出事例などを受け、令和2年4月1日より水道水の水質管理目標設定項目として「PFOS及びPFOAの合算値で50ng/L以下」という暫定目標値が設けられました。また、令和2年5月28日より公共用水域及び地下水における要監視項目として、指針値(暫定)「PFOS及びPFOAの合算値で50ng/L以下」が設定されました。

PFOS,PFOAの分析は液体クロマトグラフ質量分析法(LC/MS法)で行うのが一般的です。

余談ですが、PFOS,PFOAと似て異なる物質にテフロン®(PTFE,PolyTetraFluoroEthylene)があります。テフロンもPFOS,PFOA同様のフッ素化合物であり、化学的に安定しているなどの共通点があることから、テフロン加工(フッ素コーティング)のフライパンなどについても心配が広がっています。
PFOS,PFOAとテフロンの構造は一見似ていますが、テフロンは化学的に不活性の高分子であり、生体内に取り込まれないため毒性はないとされています。
なお抜群の化学安定性を誇るテフロンも、プラスチックの一種ですので高温により分解します。260℃を超えると分解が始まり、フッ化水素等の有害ガスが発生してしまいます。テフロン加工のフライパンは空焼き・空焚きしないようにしましょう。

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