A:水溶液の場合のみほぼ同じ意味ですが、正確さを欠くため推奨されません。
ppmは百万分率といって“parts per million”の略です。%(百分率)と同じ仲間です。比率や割合を示すものなので、分母と分子が同じもの(同じ単位)であるのが理想です。
前提として日本国内では計量法により使用できる単位が決められています。mgやLはSI単位といって使用が推奨されている単位です。ppmは広く使われていることから特例的に使用可能な単位です。
まず質量/質量の単位であるmg/kgを例にとると、mg/kg = 0.001g/1,000g → 0.001÷1,000=0.000001(百万分の1) となるのでppmと同じ意味となります。RoHS規制などでは基準値がppmで示されているのでこれにならってppmで報告することもあります。
一方のmg/Lは分母がLで体積の単位、分子がmgで質量の単位となっており、質量/体積の単位であるため、ppmとするのは厳密にはふさわしくありません。
しかし水1Lはほぼ1kg(比重1)であることから、水溶液では慣用的に1mg/Lを1ppmとする場合があります。
比重1でないと正確な表現ではなくなるので、計量証明書など高い正確性を求められる場合にはppmは使用しません。
ppmには質量百分率の他に、体積百分率(volppm)があります。体積百分率はガス状物質で広く使われており、例えば窒素酸化物などの環境基準、悪臭防止法の規制基準、作業環境測定の管理濃度に用いられています。
ちなみに1volppm = 0.001L/1,000L = 1mL/㎥です。水蒸気1mgは1.24mLに相当するので 1mL/㎥ ≒ 1mg/㎥ となります。
1ppmに相当する濃度が、液体の場合は1mg/L、気体の場合は1mg/㎥ですので、液体と気体とでは分母が1,000倍違うことになります。