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敷き詰められた板の正体は?

これは「アワビの殻」です。

アワビの殻は薄い板状のもの(炭酸カルシウム)がいくつも重なり合ってできています。その数1mmに約3,000枚。これは外から力がかかった時に、板と板がスライドし力を逃がす役割をしています。その為、アワビの殻は車に轢かれてもびくともしません。

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アワビの殻の内側は虹色に輝いていますが、この虹色の理由も炭酸カルシウムが重なり合っている構造に隠されています。炭酸カルシウム1層の厚さは0.3~0.5µmであり、これは光の波長0.4~0.8µmとほぼ同じです。この様な薄い層に光が当たると干渉が起こり虹色が生じます。この仕組みは薄膜干渉とも呼ばれ構造色の一つです。

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この層は真珠層と呼ばれます。宝石の真珠は貝の内部に混入した異物等の表面が真珠層により覆われたものです。そのため真珠層を持つ貝であれば真珠が作ることができ、アワビからも真珠が見つかることがあります。

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