今年も桜の時期がやってまいりました。
桜で最も知られているといえば「ソメイヨシノ」。日本で植えられている桜のうち約8割がこのソメイヨシノであると言われています。
その「ソメイヨシノ」ですが、江戸末期頃に染井村(現在の東京都豊田区駒込)の植木職人達によって作られた品種で、古来より桜の名所として有名だった吉野山にちなんで「吉野桜」と命名されました。
しかし、吉野山で見られる多く桜はヤマザクラの種であり、エドヒガンとオオシマザクラの交配によって作られたソメイヨシノとは別種であることから、混同を避けるため1900年に起源である地名を付けて「染井吉野」と名付けられたそうです。
桜の木や花びらはこの時期必ずと言っていいほど目にすると思いますが、桜の花粉を見ることは少ないと思います。
ソメイヨシノの花粉は長辺が約50μmで表面に溝と孔があり縞模様になっています。
自家不和合性の強い品種であり、同種、又は類似の品種で受精することはほとんどありません。これは植物が近親交配を避けて遺伝的多様性を守るための仕組みです。