国を象徴する鳥や花はそれぞれ国鳥や国花として認定されています。日本の国鳥はキジ、国花はサクラとキク、それでは日本の「国菌」はご存知ですか?
日本の国菌は「ニホンコウジカビ」(学名:アスペルギルス・オリゼー Aspergillus oryzea )。2006年に日本醸造学会により認定されました。いわゆる麹菌で、醤油、味噌、日本酒といった発酵食品に欠かせない菌です。
ニホンコウジカビを走査電子顕微鏡(SEM)で観察してみると、ポンポンの様な胞子(分生子)が集まった部分や紐の様な菌糸などが確認できます。
同じコウジカビの仲間にアスペルギルス・フラバス Aspergillus flavus という種類がいます。このフラバスは強力な発がん物質であるアフラトキシンなどのカビ毒を生成してしまうため病原菌という扱いをされています。
ちなみにフラバスは熱帯性であり日本には生息していません。もし日本に生息しているコウジカビがオリゼーでなくフラバスだったら醤油も日本酒もなかったかと思うと・・・国菌に感謝ですね。