花粉症や感染症対策に欠かせない使い捨てマスク(サージカルマスク)を電子顕微鏡で観察してみました。
一般的なプリーツタイプの使い捨てマスクは多層構造になっています。
上の画像がマスク外側の不織布部分(左の四角は熱圧着部分)、下がマスクの内部にあるフィルター部分です。同じ縮尺ですが目の細かさが全然違うことが見てとれます。
さらに拡大してみました。不織布の方はスカスカといった感じですが、フィルターの方は奥までみっちり詰まっている様子がうかがえます。
花粉の大きさは20~50µmですので、このフィルターであれば十分に捉えることができそうです。
一方、インフルエンザウイルスやコロナウイルスの大きさは0.1µmですので、このフィルターでは頼りなさそうに見えます。しかし実際のくしゃみ等では唾液などと一緒に5µm以上の飛沫となって飛び出しているので、このフィルターでも捉えることができるそうです。(インフルエンザウイルス、コロナウイルスは密閉空間では5µm以下の飛沫核となっても感染する可能性が指摘されています。)
マスク(サージカルマスク)は「周りから感染することを防ぐ」よりも「周りへ感染させることを防ぐ」に効果を発揮します。
ある感染者1人から新たに何人に感染するかを基本再生産数といいます。再生産数2人と5人の場合で考えると、最初の段階では2人と5人で差は2.5倍にすぎませんが、これを5回も繰り返すと単純計算では30人と3,000人となり100倍もの差になります。一人一人が少しでも周りへ感染させないようにすることはとても大切です。
感染拡大の速度を抑えるためにも「風邪かな?」と思ったら早めにマスクを着用することが有効なようです。