この上の画像はミカンの皮の断面を観察したものです。外側のオレンジ色の部分をフラベド、内側の白色の部分をアルベドといいます。
フラベドには丸い組織があります。これは油胞という組織です。その名の通りこの中には油が詰まっており、ミカンの皮を剥く時に飛沫が出るのは、この油胞が潰されるためです。
油の主成分はリモネンで、ミカン特有の良い香りがするために香料やアロマオイルとして使われています。さらに優れた有機溶剤でもあるため洗剤などにも使われます。ゴムを溶かす性質もあるため、風船のそばではミカンの皮を剥かないことをおすすめします。
アルベドはふわふわした触感をしていますが、表面をSEMで観察すると繊維からなる隙間の多いスポンジのような構造をしているのが分かります。
断面を見ると1本1本の繊維は中空になっていることが分かります。また繊維が集まっている部分は維管束といい、水分や養分を果実に届ける役目があります。
アルベドには食物繊維やビタミンPなどの栄養素が含まれており、近年は健康面からも着目されているようです。皆さんはミカンを食べるときアルベドを取る派ですか?取らない派ですか?