これはイワシのえらの様子です。鰓は内側の"鰓耙(さいは)"と外側の"鰓葉(さいよう)"に分かれます。軸の部分は"鰓弓(さいきゅう)"といいます。
鰓耙と鰓葉、それぞれを電子顕微鏡で観察してみました。
鰓耙も鰓葉も、くしの様な構造となっています。
鰓耙をさらに詳しく見てみると・・・
たくさんのスプーンの様なものが水の流れに向かうようについています。鰓耙はこの構造は、水の中のごみなどを取り除くのに効果的です。
次に鰓葉を詳しく見てみると・・・
一本一本にさらにたくさんのひだがついています。これを"鰓弁"といい、鰓弓から伸びる一本一本を"一次鰓弁"、一次鰓弁にある一枚一枚のひだを"二次鰓弁"といいます。鰓弁のこの構造は水と接触する面積を増やすのに効果的です。
魚は鰓呼吸により水中の酸素を取り入れ、体内の二酸化炭素を排出しているのですが、人などの肺呼吸と異なり、水の流れは常に一方通行で、口から入り鰓から出ています。
口から入った水はまず鰓耙を通ります。ここで水中のごみが取り除かれます。なおイワシの鰓耙は鰓弁と同じくらいの長さがあります。イワシなどのプランクトンを主食とする魚は鰓耙でプランクトンをこしとっているため、鰓耙がよく発達しています。
鰓耙を抜けた水は鰓葉に到達します。広い鰓弁に新鮮な水が接触することで魚は呼吸することができます。
そして鰓弁で酸素と二酸化炭素を交換された水は、鰓から外へ出ていきます。
鰓には魚の命が支えるメカニズムが詰め込まれています。