紺青

この粒子は紺青(こんじょう)です。その粒子径は100nm(1万分の1mm)以下と非常に小さいです。紺青写真.jpg

紺青は別名をプルシアンブルーともいい、名前の通りのきれいな青色の物質です。

化学的にはFe4[Fe(CN)6]3の人工化合物で、1700年初頭に青色顔料として発明されました。その後、日本にも伝わりあの富嶽三十六景にも使用されています。組成にシアンCNを含みますが、安定しているため毒性は小さく、シアン化合物の無害化処理にも使われています。

なおプルシアンブルー(Prussian blue)の語源は、その発祥国であるドイツの旧国名プロイセン(Prussia)が由来であり、シアン(Cyan)とは関係がありません。

紺青組成式.jpg

紺青はセシウムと強く結びつく性質があり、医薬品(放射性セシウム結合剤)として認可されています。しかしSEM画像からも見て取れるように粒子径が100nm以下と非常に細かく、吸い込むと肺の奥まで達してしまいます。紺青と放射性セシウムが結合していた場合、肺が内部被ばくすることになり、健康へのリスクが高まることから、チェルノブイリ原発事故や福島第一原発事故でもほとんど使用されることはなかったようです。

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