軟鋼(SS400)の引張試験破断面
大小たくさんの穴が開いていることがわかります。
アルミニウムの引張試験破断面
こちらもにも、たくさんの穴が見えます。
軟鋼に比べて、やや大きい穴が隙間なく並んでいる様子が観察できます。
これらの穴は「ディンプル」といい、金属の組織の中で、この穴が生まれ、成長し、つながることでついには亀裂となってスポンジのようにちぎれてしまいます。
身の回りの多くの金属製品は、こういった破壊の原因をできるだけ少なくするために、「合金化」や「熱処理」が加えられ、金属の結晶構造や結晶粒子を制御することで使用用途に応じた強度をもつように工夫されています。
身近にあるモノの、当たり前の機能にも、ミクロ、あるいはナノレベルでのたくさんの知恵が生かされているのですね。